吉祥寺のカフェCOFFEE TALKオーナー、大竹茂仁さんの独立開店までのプロセスと、仕事のやりがいとは。

はたらきながら学べるスクール選びなら
就職・転職へのヒントはここにあります

16 大竹茂仁さん [後編]

パティシエ業界、バリスタ業界の巨匠との出会いに恵まれながら、さまざまな社会人経験を経て地元にカフェを構えた大竹さんの、独立開店までのプロセスや、お店やお客さまへの思いについて語っていただきました。
 
|社会人経験|

巨匠に導かれた、得難いキャリア。

―ホテルに就職した後の経緯は?

もともと「カフェを開く」という目標があるので、スイーツだけでなく料理やドリンクも少し勉強しようということでホテルを辞め、チェーン店のコーヒーショップで働きながら、学んだりしていました。バリスタについては、現在のバリスタブームの火付け役の一人、学芸大学のロ・スパッツィオの野崎さんに教えてもらえる機会に恵まれ、そこから本格的にバリスタの道にも入っていきました。
 


 

本当にたくさんのことを教わって、バリスタとしてのキャリアを重ねていたある日、パークハイアットでお世話になった横田さんがカフェを出すということで「いいバリスタがいたら紹介してくれ」と言われまして。紹介といっても、なかなか簡単には見つからないじゃないですか? スイーツのこともわかっていて、バリスタもできるっていうのもあったと思うんですけど、結局横田さんご本人から直接お声かけいただいたということもあり、横田さんのところでお世話になるということになりました。それでミキモトラウンジとオークウッドカフェの両店でバリスタやカフェの責任者をやらせていただきました。そこで合わせて2年半ほど経験を積んだ後、バリスタのコンサルや人材育成、ジョエル・ロブションのサポートスタッフやワインバーの店長など、いろいろな経験をしました。
 


 

―さまざまなキャリアで得られたものは?

そうですね。最初に入ったパークハイアットはメンバーもすごくて忙しい時期。業界トップクラスの仕事とはどういうものか、一流とは何かというのを、短い期間ではありましたが学ばせてもらいました。その経験があったことで、いろいろやっても次にまたお声がけいただける流れができたのかなと。経験値が上がってからは、立て直し限定とかオープニングの大変な時期だけっていう形などもありましたが、お菓子つくってとかドリンクつくってとか、接客やってとか、人を育ててとか、ありがたいことに「必要なところにはめていただく」というか。

もともとカフェを経営するにあたっては、全部必要なスキルですし、自分でも吸収しようと思って試行錯誤しながらもやってきたことが、すべていまに繋がっている気がします。
 

|独立・開店に至るまで|

“ローカルの強み” を生かして。

―独立開店の経緯を聞かせてください。

都内の出したい街とか沿線とか、人の流れもチェックして「どこにお店出せばいいかな」って考えながら、いろいろなところに住んだりしてみたんですけど、結論は「やっぱり土地勘は大事だな」と。僕自身、武蔵野市の出身で、昔から遊びに来ていて、吉祥寺には土地勘もある。名前を聞けばわかる大企業でもブランドでもないし、パティシエとしてコンクールを優勝した訳でもない。お客さまの信頼度につながるものがないぶん、そこは土地勘で補おうと。結局いまの物件に行き着くまでに2、3年かかってしまいましたけど、ローカルの強みを生かしたお店をつくろう、ということで準備を進めました。ここは地元の方が繁華街に行くときの抜け道に使われたりする立地なんですが、オープン前の工事の際から、吉祥寺ローカルでお住まいになられている方のアンテナには引っかかっていたみたいで「何ができるの?」とか聞かれたり、オープン後も「気になってた」とおっしゃる方が結構いらっしゃって、やっぱり吉祥寺は違うな、と思いました(笑)。

 


 

2015年にオープンしたんですが、店名の『Coffee Talk』って、”コーヒートーク” っていう熟語なんですけど、「おしゃべり」とか「噂話」っていう意味なんです。で、その言葉の通り、コーヒー片手におしゃべりが楽しめる場を提供したいなと。また、誰にでも読みやすかったりとか、単語としてそんなに難しい言葉でもないんで、年配の方とか小さい子でも覚えてくれるかなと。「あ、コーヒー屋さんなんだ」とお店もイメージしやすいですし。いらっしゃる方は年代層も割と幅広いんですけれども、平日は近くの方、学校や職場が近い方によく来ていただいたり。休日に関しては、吉祥寺以外からいらっしゃる方が多いです。ローカルの方は休日は混んでるからあまり出歩かなくなる感じですね。ゆったりくつろげる時間帯はみなさん心得ているので、外した時間にいらっしゃいます。
 

|仕事の喜び・楽しみ|

お客さまとの “近い距離感” が嬉しい。

―お店をやってみての楽しさや喜びって?
 


やっぱりお客さまの顔を見ながら仕事ができるのは喜びです。距離が近いところで、美味しそうに食べていたり、楽しそうにしていたりするのを見るのは嬉しい。地元の方がリピーターとして定着してきて、ご挨拶したり、お話ししたり。いつも来てくださる方のお好みや過ごし方もだんだんわかってきて、一人ひとりに合わせてカプチーノ1つとっても温度や絵柄を変えてお出しするとかアレンジも加えています。例えば同じドリンクでも熱い日本茶を飲み慣れている年配の方には熱めに、お子さまにはぬるめにとか、カフェラテですと、うちは泡がもともとない状態なんですけど、欧米の方が来たときはカプチーノみたいな感じで出したりとか。お店に入って来られたお客さまを見て「たぶんこういうのが飲みたいんじゃないかな」と想像しながら、なるべくその方に合わせるよう配慮しています。

 


また、あえてこちらから言わなくても伝わってる、気づいてくれることも少なくありません。うちではサラダはシャキシャキにして出しているんですが「新鮮でおいしい」とか「ドレッシング手づくりでしょ」とか、言われると、わかってくれてるんだな、と。こだわってつくっている自慢の自家製ティラミスを「おかわり」してくださるお客さまもいます。”ケーキのおかわり” ってあんまり聞かないですよね(笑)。気に入っておかわりしていただいたり、子どもがすごくおいしそうに食べてるのを見るのは最高ですね。
 

|これからやりたいこと|

居心地を大切にしつつ、彩りのあるメニューも。

―これから先、やりたいことは?
 


ここ最近はうちのティラミスやコーヒーゼリーなど、スイーツが美味しいカフェとしてテレビや雑誌で紹介していただいたおかげで、休日はとくにたくさんの方にお越しいただいていますが、やっぱりカフェなので、より居心地の良いお店にしていきたいなと。もちろん定番も大事にしていきますけど、例えばパスタに四季の素材とか魚などを使ったりしていますが、もっとバリエーションを増やしていきたいですね。スイーツも、色味も含めてちょっと華やかにしたりと、商品開発にも少し力を入れていければと考えています。

 

COFFEE TALK

16_talk01.jpg16_talk02.jpg吉祥寺にある、コーヒーもスイーツもフードも美味しい、人気のカフェ。
ゆったりとくつろげる店内で、あなたもティラミスのおかわり、してみませんか?


〜大竹さんのオススメ〜

16_talk05.jpgかわいいラテアートも楽しめるドリンクは、味わいも絶品。


16_talk03.jpg「自家製ティラミス」
定番の自家製ティラミスはテレビでも紹介され、大人気。


16_talk04.jpg「コーヒー屋さんのコーヒーゼリー」
バリスタでもある大竹さんのこだわりの詰まった逸品。


武蔵野市吉祥寺本町2-24-8 SUNO・BLANCA101

11:00〜20:00|火・水曜定休
https://www.facebook.com/Coffee-Talk-899672296747895/





卒業生の本音に迫る!
東京製菓学校オフィシャルサイト
ページトップへ