大学とのダブルスクールでパティシエールの道をめざした松原さんの「夢の実現」とは。

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07 松原 愛さん

進学校から大学へ進学するも、在学時からダブルスクールを実現しパティシエールの道をめざした松原さん。専門学校卒業後、わずか8年で独立開店を果たすことができたその理由とは? 夢のオーナーシェフ実現にいたったプロセスと、その活力のウラ側に迫ります。
|パティシエールになりたい!|

アルバイトでつくる仕事への憧れが再燃、洋菓子の道へ。

中学・高校とずっと進学校に行っていたので、そのまま大学へ進学しましたが、アルバイトで入ったカフェでの体験で、昔から好きだった「つくる仕事への憧れ」が再燃。接客もやりましたが、もともとつくることが好きで、厨房での調理やパンを焼く仕事をするなかで、焼き上がったパンの香りとか、デザートの仕上がりの美しさとか、そういうものに触れるうちに「やっぱり本格的にこの道に進みたい」と考えるようになりました。
大学を辞めてでも専門学校に進む、という選択もあったのですが、親には思いつきと思われたくなかったので、3年生になる前に必修科目の単位をすべて取ったうえで、最終的に「大学もちゃんと卒業する」という条件付きで了承をもらい、大学3年のときからダブルスクールで東京製菓学校に通うことになりました。
|学校選びのポイント・感じたこと|

基礎がしっかり身についた。実習のありがたさを感じます。

東京製菓学校にしたのは、夜間部コースがあったことと、交通の便。ほかの学校の授業見学や説明会にも足を運びましたが、東京製菓学校がいちばん専門的だと感じました。授業の雰囲気がとても明るかったのも印象に残っています。
ダブルスクールの日々は、自分でも「よくやれたなあ」と思います(苦笑)。早朝にカフェのバイトに行って昼間は大学や派遣の仕事、夜間部で週3回の授業を受けながら、さらに土日もバイトという毎日。それまで「やりたい」と思うことがなく漫然と過ごしてきた日々から、初めて自分が本気でやりたいと思うことができたから、頑張れたような気がします。
卒業してから感じる学校のありがたさは「基礎をとても大切にしている授業」だったということ。つくるための基礎技術が身についていないと応用も効かないということは、就職してほかの学校を卒業した人たちを見て、イヤというほど感じました。だから、新しいものを取り入れつつ、クラシックなレシピもしっかり反復して教わることのできた実習のありがたさは、社会に出たからこその発見でした。
|卒業後のプロセス|

2つのパティスリーでさまざまな仕事を経験。

卒業後は、地元・蒲田にある洋菓子店に就職しました。3年目からは店長も務めさせてもらって、結局6年間お世話になり、現場の回し方やお店の経営的なことまで、ひと通り学ぶことができました。そのお店を辞めるタイミングで一度独立を考え、店舗物件にも詳しい仕入先の業者さんに相談し地元で物件探しをしたんですが、ちょうど良い物件がなく、いったん世田谷のパティスリーに転職しました。
そこは独立志向のある人が多いお店で、オーナーも将来自分のお店を持つということに理解のある方でした。面接の際も最初から「ゆくゆくは独立を考えてます」と話しましたが、それを分かったうえで採用してくださいました。それまでの経験が評価され、4店舗あったうちの1つで副店長をしながら、生産と販売の両方を勉強させてもらいました。最初に就職したお店とは勝手が違う50人規模の会社だったので、工場での大量生産や売り方を意識したディスプレイの企画など、新しいこと経験できたのは貴重な財産になりました。
|独立開店のプロセス|

決断してから早かった、約3ヵ月でのオープン。

そうして2年が過ぎようとしていた今年の1月、杉並に良い物件が空いたという情報をいただきました。3月に物件の引き渡しという、とてもタイトなタイミングでしたが、東京製菓学校に入学するときから「独立して自分のお店を持つこと」を目標にしていたので、アルバイトで得たお金は学費に充てつつ少しずつ貯金もしていたし、このチャンスを逃したくないという思いもあり、すぐにお店に話をして、2月末で辞める了承をもらい、開店準備に入りました。
お店の仕事を続けながら、すぐに商品構成や店名、ロゴ、プライスカードの発注などを進めていき、実質1ヵ月強でオープンまで持っていきました(苦笑)。正直、毎日寝るヒマもないほど忙しかったですが、一度決めたことはしっかりやり抜きたかったし、何より夢だった独立ですし。生来の負けず嫌いも手伝って、突っ走った感じです(笑)。
オープンの際は、世田谷のお店からヘルプで7人も来てくれて、本当にありがたかったです。チラシ配りとか製造とか、いろいろお手伝いしてもらって、盛大なスタートをきれたことに心から感謝しています。聞いてみると私だけじゃなく、みんな独立開店のときはそうしてくださるらしいんですが、これってとてもありがたいこと。良いお店に入って良かったな、と心から思いました。
|お店のコンセプト|

地域に愛される“街のケーキ屋さん”にしたい。

お店のコンセプトは、“身近な街のパティスリー”。手づくりの温かさがあり、クラシックなケーキも新しいケーキもあって、「3つ買いたいけど2つにしておこう」みたいにならない、手ごろな値段で。若い人だけじゃなく、年配の方やファミリー、子どもたちなど、地域のみなさんに愛される街のケーキ屋さんにしたい、という思いがありました。だから、お店の名前もカタカナのオシャレな名前より、すぐに覚えてもらえる親しみやすいものをということで『華』にしようと決めてました。思いがどれだけ通じているかはまだ分からないけど、少しでも伝わってくれればいいな、と思っています。
|これからの課題と目標|

肩の力を抜いて、広い視野を持って。

独立してしばらく経ちましたが、私を含め3名のスタッフで製造から販売まで切り盛りしているので、毎日とにかく必死です。いろいろ経験を積んできたとはいえ、すべてが初めてのこと。お菓子をつくるだけじゃなく、事務的な仕事だってあります。とくに経理とか経営は、手探りな部分もありますね。まあ1年目ですし、焦らずやりたいと思います。先輩にも「しんどいことは続かない。頑張り過ぎないほうがいいよ。」と言われるので、少し肩の力を抜いて、広い視野を持ってやりたいなと。
とりあえずは「自分のお店を持つ」というゴールに辿り着けたので、そこには満足しています。卒業して8年で独立開店というのは、かなり早いほうだと思いますし。その点は少し自分をホメてあげてもいいかなと(笑)。ゆくゆくは人を増やしたりもしたいですが、まずは今年のクリスマス。何をしようか、いまからアイデアを練っているところです。
|業界での仕事をめざす人へ|

大切なのは、工夫して楽しく仕事すること。

業界での仕事をめざす人には、辛くても「イヤイヤ仕事をしないで」って言いたいです。毎日イヤだなあと思いながら仕事をして、ガマンできずにお店を移ったとしても、結局何も身につかずにイチからやり直しになってしまう。どんなお店でも、一度入ったら「そこで学べることはすべて吸収する」という気持ちで、自分なりに工夫して楽しく仕事をしていけば、後々に活きる経験になるはずです。そうやって続けていくことが大切だと思います。「継続は力なり」って、本当ですよ。
パティスリー華

阿佐ヶ谷駅の北、東京・山の手を代表する美しい並木道、中杉通りに面したパティスリー。こだわりの手づくりスイーツは、やさしい味わい。店内にはカフェも楽しめるイートインスペースもあり、ゆったりとお菓子を楽しめます。


〜松原さんのオススメのお菓子〜

○阿佐ヶ谷ロール:メープルシュガーを入れたふわふわ生地に渋栗とカスタード、生クリームをロールした名品。

○けやき並木のレーズンサンド:けやきの葉をかたどったレーズンサンド。お店のあるけやき並木をイメージ。

東京都杉並区阿佐ヶ谷北4-20-8

JR・東京メトロ阿佐ヶ谷駅から徒歩10分





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