海外留学を経験した水谷さんが「和菓子づくり」を仕事に選んだ理由とは。

はたらきながら学べるスクール選びなら
就職・転職へのヒントはここにあります

01 水谷 陽子さん

再開発が進み、オトナの人気スポットに変貌しつつある港区・虎ノ門。大正元年創業の和菓子店『御菓子司 新正堂』で和菓子づくりに励む水谷さんが、和菓子づくりの道に進むことを決意した理由、日々の仕事で感じていることを語っていきます。
|もっと日本を知るために|

留学を経験し、日本の“食”に関わる仕事に。

私は興味があれば、どんどん積極的に前進する性格。以前、英語を勉強したくてニュージーランドに1年間ホームステイしていたこともあります。そのときに現地の友だちや知り合いから「日本ってどんな国なの?」ってよく聞かれたんですが、分かっているつもりでも、いざ人に説明するとなると意外に分かっていないんだなって感じることが少なくありませんでした。だから、帰国して「自分の国のことをもっと知っておこう」「日本の良いところをしっかり紹介できるようになろう」と考えていました。食べることが好きなので、仕事も食品業界を選んで飲食関係の会社に勤めていました。最近和食が世界遺産に登録されましたが、日本の食文化って技術はもちろん、お米など素材のおいしさや安全性の高さなど、誇れることがたくさんあるジャンルですから。
|和菓子との出会い|

差し入れのどら焼きのおいしさに、感動。

その飲食関係の会社に勤めて数年経ったとき、職場の方がたまたま差し入れで持ってきてくれたどら焼きが、とってもおいしくて。もともとそれほど和菓子が好きなほうではなかったので、触れる機会も多くはなかったんですが、とにかく驚くほどおいしかったんです。それで、「こんなお菓子を自分でつくれるようになれたら、もっと楽しいだろうな」と思い始めて、この道への興味のスイッチが入りました(笑)。
|学校選びのポイント|

和菓子だけを専門的に学べるのが魅力だった。

「せっかく興味を持てるものが見つかったから、学校でちゃんと勉強したいな」と思い、ネットで探してみたところ、東京製菓学校に辿り着きました。ほかにも製菓系の学校はありましたが、洋菓子やカフェ系のカリキュラムなど、ほかのジャンルがカリキュラムに入って来るところが多いなか、東京製菓学校だけは和菓子を専門的に学べるコース設定があって、そこがとても魅力的でした。学費の面を考えると、働きながら学べる夜間部があるというのもメリットでしたし、昼間部よりも「いろいろな人と出会えるんじゃないか」という期待もありました。体験入学にも参加してみましたが、そこでつくらせてもらった水ようかんと朝顔の上生菓子がとってもおいしくできて、嬉しかったのを覚えています。その後1年間学費を貯めるなど準備を進め、入学しました。
|学生時代の想い出|

“24時間お菓子漬け”の生活が、良い経験に。

入学後1年目は同じ仕事を続けながら学校に行っていましたが、2年目は先生にも勧められ、和菓子屋さんでアルバイトをしながらの授業に通う生活になりました。アルバイト先での製造の仕事も「こんなにやらせてもらえるんだ」っていうくらい実際の和菓子づくりをさせてもらえたので、日々の仕事と学校の実習の相乗効果はかなりあったんじゃないかと思います。極端な言い方ですが、当時は「24時間ずっとお菓子に携わっている生活」。仕事のなかで疑問に感じたことがあっても、お店でも聞けるし学校でも聞ける。吸収する機会も場所も2倍だから、覚えるのも早い。品数をつくれる、いろいろな種類のお菓子を学べたのはとてもありがたかったです。
|就職について|

アルバイト先にそのまま就職、という良縁。

いま働いているお店は、じつは学生時代のアルバイト先なんです。先生の勧めで入ったお店でそのままいまに至る、という、とてもありがたいご縁をいただきました(笑)。正直、すごくよくしていただいていましたし、仕事内容も充実していたので「ほかのお店で働く」ことがイメージできなかったんです。だから自分からアピールして「卒業してもここに置いてください」っていつもお願いしてて、それが晴れて現実になりました(笑)。

三代目社長(中央)と四代目(右)も、じつは東京製菓学校の卒業生。
世代は違っても同窓の友。みんなの笑顔が、仲の良さを感じさせます。

社長以下、明るい方ばかりで働きやすい環境なので、のびのびと仕事させてもらえていて、ホント嬉しい限りです。最近は近くにオープンした『虎ノ門ヒルズ』効果も手伝って、目抜き通りになったことで人通りが変わって、ずいぶん忙しくなってきました。取材も増えたりして、街が変わっていくのを実感しています。
|いまの仕事|

毎日和菓子をつくれる、充実の日々。

仕事はだいたい朝8時から夕方5時まで。朝は餡に使用する豆を炊くことからはじまり、上生菓子づくりやおだんごの仕上げ作業など。
お昼休みの後は、お店の人気商品である最中づくりや焼き菓子の仕込みといった作業がだいたいのルーティーンです。とにかく、毎日たくさんの和菓子をつくれる、充実の日々を送っています。また、作業場は4人体制でシフトが組まれているので、ほとんど定時で帰れます。プライベートな時間もしっかりとれるから、とてもありがたいですね。
|これからの課題と目標|

まずは「明日はもっとより良く」。

いまの課題は、ひと通り覚えてきた仕事のさらなる向上。仕上がりの質やスピードなど、「次にやったらどのくらい良くなるか」を試行錯誤する毎日です。たとえば大福ひとつとっても、包餡(餡を包む作業)で先輩とは明らかに仕上がりが違うと感じることがあります。そういうことに気づいたとき、自分の手技をどう変えられるかを考えて仕事をしています。学校でも「菓子は人なり」って良く言われましたが、ホントその通りだなって。ゴールはないけど、より良くなりたいって日々思っています。
将来的にはオーソドックスな和菓子だけでなく、新しい和菓子の開発にも挑戦したいです。学校で、伝統のレシピに新しい発想を加えた『ヌーヴェル和菓子』をつくる授業があったんですが、そこでの経験も活かせるんじゃないかと考えています。
御菓子司 新正堂

大正元年創業、100年を越える歴史を持つ新橋の老舗和菓子店。忠臣蔵で浅野内匠頭が切腹した田村右京太夫屋敷跡に位置し、それにちなんだ『切腹最中』が人気商品のひとつ。その形から「お詫びの品に最適」との声も多く、近隣だけでなくビジネスマンのお客さまも少なくありません。ほかにも『景気上昇最中』や『義士ようかん』など、独自のユニークな商品も豊富な和菓子屋さんです。

~水谷さんオススメの和菓子~

○切腹最中:閉まっているはずの皮は開いたまま。餡だけでなく皮までおいしい、忠臣蔵ファンご用達の逸品。

○義士ようかん:歌川国芳の絵をベースに、赤穂浪士に登場する四十七義士の説明もQRコードで出てくるというパッケージも好評とか。


東京都港区新橋4-27-2

JR・東京メトロ新橋駅から徒歩7分

都営線内幸町駅から徒歩7分

ホームページ

http://www.shinshodoh.co.jp

卒業生の本音に迫る!
東京製菓学校オフィシャルサイト
ページトップへ